1.援助職が参加できる活動

  ・スーパービジョン/

   コンサルテーション

  ・ゼミ/研究会

  ・講座/ワークショップ

  ・読書会 

  ・つながるミーティング

  ・フィールドワーク

  ・その他

読書会 第1回  2023.5.28  報告&参加者の声

 

宮地尚子『傷を愛せるか』 ① 「Ⅰ内なる海 内なる空」 

 

最初の読書会は宮地尚子『傷を愛せるか』の「Ⅰ 内なる海、内なる空」のパートについて取り組みました。参加者4人で深く語り合いました。時間が早く過ぎていき、2時間の予定が3時間に延びるほどでした。

次の4章の気になる言葉と表現についてナビゲーターが語り出して、それを受けてみんなで語り合うスタイルで取り組みました。自分の今までの経験、現在の仕事や生活に引き付けた語り合いが続きました。

個人的な感想としては、経験と想像力をシェアすることで、読書体験が何倍にも広がり、とても深くなることの豊かさを感じられてうれしくてなりませんでした。

 

①「なにもできなくても」

「なにもできなくても、見ていなければいけない」という命題が、「なにもできていなくても、見ているだけでいい。なにもできなくても、そこにいるだけでいい」というメッセージに、変わった。

 

目撃する。目を凝らす。見つめる。見据える。見通す。見極める。見届ける。「見守る」ほどの力や度量は、いつまでももてないだろうが、それでいいのだ。

 

②「内なる海」

「他者を愛する」とは、自分とは違う存在、自分には理解できないもの、自分では受け入れられないものをもっている存在を、まさに自分には理解できないし、受け入れられないからこそ、尊重するということである。

 

③「だれかが自分のために祈ってくれるということ」

だれかが自分のために祈ってくれるということがどれほど心を動かすものなのかを、わたしはそのとき初めて知った。…頼んだわけでもなくお金を払うわけでもないのに、純粋に心からだれかに自分の幸せを願ってもらうということ、その事実と時間がどれほど「有り難い」ことか、そして勇気づけられることか、そのとき気づかされた。

 

④「予言・約束・夢」

…命綱やガードレールなどのほんとうの役割は、実際に転落しそうになった人をそこで引き(押し)とどめることでは、おそらくない。もちろんそういう役割を果たせるように強度を計算して、材質や形が決められ、つくられているのだろうとは思う。けれど、命綱やガードレールが実際に物理的効力を発揮する機会は少ない。そこにそういうものがあるから大丈夫だと安心することで、平常心を保つことができる。本来の力を発揮し、ものごとを遂行することができる。たいていは、そのためにこそ役立っていると思うのだ。

 

《参加者の声》

この本はまるでそっと隣から語りかけられているような気分になりました。言葉にならないモヤモヤが整理される感覚と、その感覚を言葉に変換してもらったように感じたのです。自分のことをよく見ることができて、受けとめられたように感じられて泣けました。読み進めていくことが、まるでカウンセリングを受けているような気持になりました。

読書会を通して、多様な意見に触れることができて、一人で読んだ時は気に留めなかった文章や言葉を熟考する機会にもなり、自分の考え方や価値観が広がり、新たな視点が生まれる体験になりました。言葉の意味を一つ一つ考えることは、新しい言葉を手にしたように新鮮に感じられました。とても素敵な時間でした。

 

感想をと思って、何度もペンを取り、携帯のメモ帳を開き、書き出そうとするんですが、あの時間を簡単に言葉にしたくない感じがあり、結局言葉にならずを繰り返しています。

きっとそれくらい、いろんなことを感じて、考えた濃い時間だったんだなぁって思います。

読書会に限らずですが、思ったことや感じたことを、臆せず素直にそのまま共有できる場って、居場所なんだなって改めて感じました。

 

読書会に参加して、同じところに線を引いていても、気になっている部分が異なっているのがとても面白かったです。発表を通して参加者のひとりひとりが大切にしていることや気になっているところをとおして、メンバーの価値観を知ることができたことも嬉しかったことです。また参加したいと思います!

 

2023.5.30  

New!(5月7日)

 

「読書会 ‐readingtalkingsharing‐」

1回・第2回のお知らせ

 

〈援助職の方が参加できる企画になります〉

 

1.日時

1回 2023528日(日)14001600

2回 2023624日(土)14001600

 

2.場所

social work lab MIRAI (登戸駅、下車2分)

 

3.テキスト

宮地尚子『傷を愛せるか(増補新版)』ちくま文庫(2022.9.12

       

4.進め方

1回は「内なる海、内なる空」、第2回は「クロスする感性」「傷のある風景」について、自由に感じたこと・考えたことをおしゃべりしましょう。レジュメ等はありません。ファシリテーターは長谷川がつとめます。ナビゲーターは本書の愛読者である松本さん(保育所保育士・社会福祉士/はせゼミ卒業生)に担っていただきます。読書会で語られた仲間の発言は外に持ち出さないこと、批判や否定の発言はしないことをルールにしたいと思います。

 

5.参加申し込み(お問い合わせ)

定員8名

参加費 1000円/回

59日(火)1800から参加受付をします。下記のアドレスからご連絡ください。

 

メールアドレス   hato.sw.lab@gmail.com